ナチュラルリリースの徒然帖

山陰・鳥取・境港の情報を発信している釣り人です。最近は日々の徒然記がメインになっています。

【第4投目】ロッドの高弾性、中弾性、低弾性とは?

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管理人使用の35tと40tカーボンのコンポジットロッド

こんばんは。管理人(@y_nax_tw)です。

釣りにまつわるエトセトラ【第4投目】です。

前回(第3投目)は、シマノとダイワのリールのギアの強さについて考えました。

 

今回は、ロッドの弾性について超主観的に考えてみます。

 

 

 

ロッドの弾性とは

そもそも、ロッドの弾性とはなんでしょうか?

長年ルアーフィッシングをしていると、近年のロッドに関して「高弾性ロッド」という言葉を耳にすることがあります。 

 

ロッドの素材

ロッドは、炭素繊維で織ったカーボン布(これをカーボンシートといいます)を鉄芯にクルクルと巻き付けて、焼き固めて作られます。

このカーボンシートごとの特性として、素材の伸び率(トン数)の違いがあげられます。

 

素材の伸び率(トン数)の違い

カーボンシートのトン数とは、1mm×1mmの正方形のカーボンシートを2mm×2mmの大きさに引き伸ばすのに必要な力のことです(←分かりにくい)。

例えば、カーボンシートを引き伸ばすのに、24t(トン)の力が必要なカーボンシートと、40tの力が必要なカーボンシートがあるとします。

当然、24tの引張力で伸びるカーボンシートよりも、引き伸ばすのに40tの力が必要なカーボンシートの方が素材そのものが伸びにくいですし、その反面、伸びたカーボンシートが元に戻ろうとする力も強いです。

これをロッドという竿の形にした場合、24tカーボンシートで作ったロッドよりも、40tカーボンシートで作ったロッドの方が、ロッドを曲げる際に力が必要になりますし、曲がったあとの元に戻ろうとする力も強く、反発力が強いロッドが出来上がります。

高弾性ロッドとは、伸びにくい素材のカーボンシートで作られた反発力の強いロッドのことを言います。

 

 

 

高弾性カーボンロッドの性格

メリット

高弾性のカーボンシートで作られたロッドは、曲がったあとの戻ろうとする反発力の強いロッドになります。

この反発力が、キャスト時にルアーを飛ばすための力を与えてくれます。つまり、ルアーをキャストする際のルアーの飛びにキレが生まれます。(ルアーを飛ばしやすくなるという意味であって、必ずしも高弾性ロッドの方が飛距離が出るという意味ではありません)

また、伸びの少ない素材で出来ているため、金属的なロッドに仕上がります。これがどういうことかと言いますと、伸びの少ない素材であるため、ロッドに伝わる振動がスムーズに竿先から手元まで伝わります。つまり、非常に感度に優れた(高感度の)ロッドになります。

 

デメリット

高弾性カーボンシートは、反発力の強い素材であるため、鉄芯にカーボンシートを巻きつけてロッドを作る際に、中・低弾性ロッドに比べて、1~2巻きくらい少なく巻きます。中・低弾性ロッドと同じ巻き数にしてしまうと、反発力が強い素材のために曲がりにくい(反発力の強すぎる硬い)ロッドになってしまいます

つまり、高弾性カーボンロッドは、中・低弾性カーボンロッドに比べて、カーボンシートを薄巻きにしてあるのです。高弾性カーボンロッドはカーボンシートが薄巻きのため、傷に弱く、傷が入ると折れやすくなります。

なお、カーボンシートの巻き数が少ないということは、それだけロッドに使われているカーボンシートの量が少ないので、軽いロッドに仕上がるというメリットもあります。

 

 

 

中・低弾性カーボンロッドの性格

メリット

中・低弾性カーボンで作られたロッドは、素材自体が元々高弾性カーボンに比べて伸びやすいため、よく曲がるロッドになります。業界的には「粘りがある」と表現します。

また、中・低弾性カーボンのロッドで反発力をつけたければ、カーボンの巻き数を増やして厚巻きにする必要があります。素材自体が高弾性カーボンに比べて伸びやすいため、カーボンシートを厚巻きにしなければ必要な反発力が得られません。そして、カーボンシートの巻き数を増やして厚くするため、高弾性カーボンロッドに比べて傷に強く、少し折れにくくなります。

さらに、カーボンシートを厚巻きにすればするほど、ロッドの曲がりや潰れに強くなるため、ロッドの曲がりに対しても折れにくいロッドになります。

 

デメリット

デメリットとしては、高弾性カーボンのロッドに比べてカーボンシートを使う量が増えるため(厚巻きのため)やや重いロッドに仕上がります。

また、素材自体が高弾性カーボンシートに比べて伸びやすい素材なので、竿先から手元へ伝わる振動がやや伝わりにくくなります。いわゆる、感度が悪いといわれる竿になります。

 

 

 

高弾性・中低弾性の区別

では、高弾性カーボンと中・低弾性カーボンとは具体的に何t(トン)で区別されているのでしょうか?

区別基準はない

管理人はこの記事で何度も「高弾性」「中・低弾性」を連呼していますが、実は、カーボンの弾性率の高い・低いというのは、特に基準があるわけではありません。

おそらくは、ロッドメーカーが、「いままで使っていたカーボンよりも、より伸び率の少ない(トン数の高い)カーボンを使用」して軽量・高感度ロッドを作り、それを販売するときに、いわゆる「販売戦略上の広告表現」として用いたのが「高弾性ロッド」の最初ではないかと管理人は考えております。

 

一応の目安

とはいえ、今後インターネットや釣り雑誌で情報を得ていくうえで一応の目安があった方が良いと思いますので、管理人の独断で区別基準を下記のとおりとしておきます。

低弾性:24t

中弾性:30t

高弾性:35t、40t、50t

※あくまで管理人の私見による区別です。

 

 

 

高弾性ロッド至上主義

現在のルアーロッド業界は、一部「怪魚」系ロッドと呼ばれる分野を除いて、高弾性ロッド至上主義のような状況になっています。

その一番の理由に挙げられるのが、ロッドを軽量高感度に仕上げることが出来るからです。

 

高弾性ロッドの苦手分野

メバルやアジのようなウルトラライトゲーム、バスやシーバス、エギングのようなライトゲームにはロッドの軽量化・高感度化は非常に恩恵が大きいです。

しかし、高弾性ロッドが向いていない釣り分野もあります。

それは、引きの強い魚を釣るためのロッドです。

中・低弾性ロッドのメリットで記載しましたが、中・低弾性ロッドは、カーボンシートを厚巻きにしても素材自体が伸びやすいため、硬いロッドになりにくく、よく曲がるロッドに仕上げられます。そして、よく曲がるといっても、決して折れやすいのではなく、カーボンシートが厚く巻かれている分、むしろ折れにくくなります。

そのため、引きの強い魚を釣るためのロッドは、高弾性よりも、曲がって魚の引きを吸収し、なおかつ折れにくい中・低弾性ロッドの方が向いていることになります。

 

 

 

まとめ

基本用語

カーボン布(カーボンシート)のトン数とは、どのくらいの力で引っ張るとカーボンシートが伸びるか?という力の。

高弾性ロッドとは、伸び率の少ない(トン数の大きい)カーボンシートで作られたロッド。

中・低弾性ロッドとは、やや伸びやすい(トン数の小さい)カーボンシートで作られたロッド。

 

高弾性カーボンロッドのメリット・デメリット

メリット:ルアーを飛ばしやすい、軽量、高感度

デメリット:傷に弱い、曲がりや潰れに弱い(折れやすい)、高価

 

中・低弾性カーボンロッドのメリット・デメリット

メリット:粘りがある(よく曲がるけど、曲がり・潰れに強い)、傷に強い

デメリット:ロッドが重い、感度が悪い

 

 

 

以上が、カーボンの弾性、高弾性ロッド・中低弾性ロッドのメリット・デメリット、現在のルアーロッドの高弾性ロッド化傾向についてのお話です。

今回は、一旦ここでカーボンの弾性に関する話をまとめ、次回はロッドの高弾性化による弊害について考えてみます。(←本当はこの点についてまとめたかった…)

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。